大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和49(あ)1074 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

被告人を懲役八月に処する。

第一審における未決勾留日数中四〇日を右刑に算入する。

第一審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

検察官の上告趣意は別紙のとおりである。

職権をもつて調査すると、原判決には後記のような違法があり、刑訴法四一一条

一号によりこれを破棄しなければ著しく正義に反するものと認める。

すなわち、原審が昭和四九年三月二五日被告人の量刑不当の控訴理由を認めて第

一審判決を破棄したうえ自判し、被告人を懲役一年に処し、三年間右刑の執行を猶

予する旨の判決を言い渡したことは記録上明白である。ところが、被告人は、昭和

四五年一〇月二六日名古屋高等裁判所において、業務上過失傷害罪により禁錮四月

に処せられ、これに対し被告人から上告を申し立てたが、同四六年四月二二日上告

棄却決定を受け、右決定は同月二八日確定したこと、被告人は同年九月二七日から

右刑の執行を受け、同四七年一月二六日その刑の執行を受け終つたものであること

も又記録上明白である。

そうすると、被告人は、前に禁錮以上の刑に処せられその執行を終つてからまだ

五年を経過していないのであるから、刑法二五条一項により刑の執行を猶予しえな

いのに拘らず、原判決が、被告人を懲役一年に処したうえ、刑法二五条一項を適用

して三年間右刑の執行を猶予したのは、法令の解釈適用を誤つたものというべく、

原判決には判決に影響を及ぼすべき法令の違反があり、これを破棄しなければ著し

く正義に反するものと認める。

よつて、刑訴法四一一条一号、四一三条但書、三九七条二項により、原判決及び

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第一審判決を破棄し、さらに直ちに判決することにする。

第一審判決が認定した事実に同判決の掲げる法令を適用し、所定の刑期範囲内で

被告人を懲役八月に処し、刑法二一条により第一審における未決勾留日数中四〇日

を右刑に算入し、第一審における訴訟費用は、刑訴法一八一条一項本文により被告

人に負担させることとする。

よつて、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官住吉君彦 公判出席

昭和四九年一二月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 小 川 信 雄

裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 吉 田 豊

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